FOOD

2026.07.03

沖縄×メキシコ=ラフニタス♡
しんぶら街のカウンター酒場で、
今宵も「がんちゃん」と一杯を!

酒場音色

いま熱い“しんぶら街”のニューカマー!

☑いま、しんぶら街が熱すぎる。
まことしやかにささやかれるこのウワサ。結論言いますとホントです
覚えていますか?調理巧みな「がんちゃん」を追ったこの記事

そう、そのがんちゃんが昨年の11月に同じ場所で独立開業しました。その名も、
☑酒場音色
これが実に旨くて上手い。ついつい通ってしまう「魅惑」の一軒なのです。

場所はもちろん「しんぶら街」。ぶら下がる提灯に屋号をしたため、暖色照明の店内が客人を待ちます。ほんとうに“こんなところに!?”と驚くほどひっそりと
昼はランチ、夜はカウンター酒場スタイルです。

店内はL字の1本カウンター。この中で腕を揮うのががんちゃん。
調理の音や熱気、香りにも臨場感が弾み、期待を大いに高めてくれるアプローチ。

店主『がんちゃん』を押さえておかないと…

こちらの店を語るにあたって、まずは店主『がんちゃん』を押さえておかなければなりません。
沖縄県那覇市・首里の出身。18歳で料理の世界に入り14年目。この14年の間に、東京や沖縄や関西で、和食、イタリアン、沖縄料理、居酒屋などさまざまな厨房で各ジャンルの調理法をその手に磨いてきました。

調理法だけじゃありません。ホテルや料亭といった業態経験も豊富に。それゆえ、季節や仕入れ状況や厨房の条件にも振り幅を広く手が動く職人さんであろうかと。ご本人はそこまで語りません。
これまで数百の料理職人さんを取材してきたワタクシの推察です。

大阪は6年目のがんちゃん。
ここ大阪で仕入れることのできる食材の春夏秋冬を6回体得してきた、というわけです。
つまり、がんちゃんの頭の中には、各ジャンルの調理法と季節の食材、そして目前で注視してきたお客さんの反応のすべてが「引き出し」に仕舞われているのです。
しかも、ミッチリと。例えば、いまここにある夏野菜もがんちゃんが自ら足を運んで、目で眺め指で確認してきたものばかり。

手始めどころかクライマックス!『音色小鉢盛り3種』

なにはともあれ、まずは生ビール(マルエフ)からスタート手始めに…と『音色小鉢盛り3種』を注文。「酒場音色」の焼き印が入った松花堂で登場…!?

これがとんでもない松花堂だった!恒例のスペック解説、時計まわりでいくで!

左上⇒うずらたまごのウフマヨ
右上⇒厚揚げとほうれん草の煮びたし
右下⇒音色ポテサラ(本日はソーセージとしば漬け編)
左下⇒キクラゲと鶏そぼろの甘辛炒め

「あれ?3種盛りちゃうかった?」と思ったアナタ、そうその通り!3種を盛りを頼んで「4種」出てきてしまうこのメニュー。
☑実はポテトサラダがサービス品
という仕掛け。もーーーぅ、ここでグッとハートを掴まれる!

【うずらたまごのウフマヨ】
うずらの煮卵にマヨソース。王道の組み合わせながら、パッと輪郭のある煮汁跡と柔らかな風合いのマヨソースとのコントラストで、優しく覚醒を促してくれます。

【厚揚げとほうれん草の煮びたし】
角の尖ったテクスチャーの厚揚げはなんと自家製!お豆腐を切り分けて丁寧に揚げ切り。
表面がカリっと中身はフンワリ。煮汁をしっかりと含んだほうれん草
が味わいを膨らませます。

【音色ポテサラ】
サービスメニューのポテサラは(本日は)ソーセージ&しば漬けVer.。
ふわっと滑らかな食感にしば漬けの酸味やソーセージの旨みが◎ チリパウダーでキュッと味を締めて

【キクラゲと鶏そぼろの甘辛炒め】
水で戻してから、さらに炒める。この工程を経てもなお、ここまで口内で「キュッキュッ」と食感を漲らせる調理技術!鶏の旨みをそぼろで効かせ、心地よい甘辛さに仕上がっています★

酒場音色での宴席開始を告げる『音色小鉢盛り3種』ですが、味わい始めれば気づくはず。
☑これ、スターターどころか、クライマックスやん?

7つの味覚「甘味・塩味・酸味・苦味・旨味」プラス「えぐ味・滋味」が、この松花堂ひとつにほぼ網羅され、食感のグラデーションも「あっち」「こっち」にライド!松花堂いっこに盛り込まれる情報量の多さは、嬉しくなるほど賑やか。普段眠っている舌の味覚感知箇所(ミライ)が「おお?なんの騒ぎ?」と覚醒するのが分かるくらい!

☑このメニューだけでマルエフ3杯はいける
「大げさな」と思ったそこのアナタ。タカをくくっているアナタは5杯いっちゃうでしょう。

そして、全体に「甘め」な味付けなんです。甘いっていっても、素材の味を覆うような甘味じゃなくて、素材味はシッカリ&クッキリありながら、後味の着地が「甘い」
沖縄・首里出身のがんちゃんならではの味わいであり、シイタケやコブやイリコなど複数出汁をブレンドした奥深くも柔らかく、輪郭のある「旨味」でもあります

☑やわらかくて、うまくて、あまい
疲れ切った心身をそっとほぐしてくれる嬉しい味わいに、日中の仕事の緊張がゆっくりとほどけていく実感。ここまでくると、音色ゾーンに半身浸かっています。この沼、抜けられませんよぉ!

これを食べなきゃ帰れない『ラフニタス』

さて。がんちゃんが沖縄・首里出身であることは先述の通り。
がんちゃんの「ラフテー(豚の角煮)」がこれまた特筆もの。圧力鍋で一気にカタをつけるでなく、アルミ鍋でじ~~~っくりと5時間。しずかにしずかに、豚三枚肉自身が煮込まれていると気づかないくらい静かな火入れを施すのです。

使うのは沖縄産黒糖とお醤油、そして泡盛、ほんとうにこれだけ。しかも、泡盛は首里にある瑞泉酒造の『瑞泉(ずいせん)』です。これ、とんでもないことなの。例えるならフレンチシェフがソースの仕込みにブルゴーニュワインをドバドバ使うのと同じくらい頭おかしい(※自主規制)

そうやって仕上がる一片は、これまでの「ラフテー」の記憶を塗り替えるはず。
トロトロに柔らかいのに肉の身の流れが感じられ、奥深い甘みが豚の旨みを際立たせて、脂がクリアで後味がスッと退く(だから、次のひと口がまた欲しくなる)。黒糖と瑞泉と醤油と豚の演算技。

そんなラフテーがメキシコ名物「タコス」になる!?その名も『ラフニタス』
沖縄のラフテーとメキシコのカルニタスを掛け合わせたメニュー名に期待が高まって止まらない。
たっぷりのカイワレ、大葉、ミョウガと香草3メンバーをON割いたラフテーもON

ここで「ライム」が定石かと思いきや、まさかの「紅ショウガ」をON。さらには目前ですりおろすパルミジャーノもた~~~っぷり!

完成! この段階ではまったく味の想像がつきませんが、ラフテーの仕込みに「瑞泉」を使っていることから、瑞泉のソーダ割でいただいてみます♪

ああ、これは「沖縄そば」だ!ラフテーの旨みと甘味に紅ショウガのアクセント、そして、島野菜を彷彿とさせる香味野菜の風合い。そこに瑞泉ソーダ割をグビっといただくと、メキシコのタコスが沖縄カラーをまとって立ち昇ってくる。なんて巧妙な味あわせ方なんだろう(驚愕)

さらには「スパイスハイボール」も合わせてみる焙煎したローリエやシナモン、クローブにブラックペッパーなどを漬けこんだウィスキーにキンキン冷のソーダ
絶え間なく弾けるソーダの気泡が香辛料の香りを魅惑的に運び、心拍数が上がるほど期待が弾む!

これまた「瑞泉」とは違ったルートからラフテーの持ち味をパアッと開かせる曲芸的な飛び道具。

複合スパイスの風合いが三枚肉の甘みを際立たせ、メキシコのカルニタス(豚のスパイスコンフィ)を想起させる味わいに。ひとつのメニューが「沖縄」にも「メキシコ」にも表情を変えて迫り来て、口に運ぶ手が止まらない!この『ラフニタス』、味わった記憶を消してもういちど初見の興奮を体感したいほどのインパクト!もとの19にしておくれ~~♪♪

〆だと侮ったら大ヤケドする『大葉の黒チャーハン』

さて。ここでご飯もの『大葉の黒チャーハン』を。
ここからはがんちゃんの調理技術に関してあれこれと書く。あらゆる素材×調理法を繰り出すがんちゃん。それゆえ、レシピレパートリーはかなりのもの。

しかしながら、レシピ発案力を支えているのはもちろん「技術力」。そして、理に適った調理法のロジカルな取捨選択。通常より大きめにカットしたタマネギは量多く投入して「香り」を引き立てていきます。

ご覧ください、この鍋振り。カッカッカッカッと一定のリズムで米を熱コーティングしながら炙り。
がんちゃんの射るような目線と全身でガス火温度を感じ取る気迫前回記事の「肉 だしまき」もそうだったけど、<米を炒める>や<卵を加熱する>という極めてベーシックな調理工程に、これまで真摯に体得してきたものが如実に現れる。
特にがんちゃんが加熱調理に向かう姿勢は、酔いも一瞬醒めるほど空気がピーーーンと張るのです。観ているこちらもヒートアップ必至!

たっぷりの大葉に自家製ソース。このソースが注がれ熱され始めると、周囲にふわ~~っと香味が漂い…

提供直前には「鼻」が持ってかれてしまいそうなほど鼻孔を刺激。ドキドキドキドキ!!!

胸いっぱいに吸い込みたくなる魅惑の薫香
加熱コートされた米のひとつぶひとつぶを掬って、いただきます♪

この香ばしさ。そして甘味(米、タマネギ、ソース)の重層なインパクト。サラっと爽涼感を添える大葉。

味を下支えているのはもちろん自家製ソース。オイスター、醤油、さらには老抽王(ラオチュウオウ)も。米の弾力を噛みしめるほどに自家製ソースの味と香りが口内を侵食!
そう、泡盛ソーダもスパイスハイボールも「止まらない」。これは〆の一品じゃない、むしろ「仕切り直し」を告げるブースター(後推し)そのもの。「米で酒を呑む」の正解がここにありました!

料理は「点」にすぎない。つなぐのは人と人だから。

そんながんちゃんですが、まだまだ隠しネタがあります。タイ料理の造詣もあったり、生姜ラーメンを企画中だったり、肉の扱いにも慣れているので本格的な肉メニューも検討中。
それもこれも、「365日×14年間」の尽力から成る知と技の集積があればこそ。「ご自身の料理をもっとたくさんの人に知って欲しいですよね」と水を向けると、意外にも首を振って否定します

その真意はこうでした。

「自分の料理って<点>だと思っているんです。料理を知って欲しいとか評価して欲しいっていうよりも、この店や自分の料理を通じて人同士が<線>で繋がること、それがこの店で叶えたいこと、最近特にそう感じるんです」と。

古来の中国、近代のUSAカルチャー、そして日本、もちろん風土に支えられ継がれる琉球文化も。

あらゆる(食)文化を混ぜ合わせ、ひとつのテーブルに並べることのできる沖縄。異なりながらも共に在る豊かさが、がんちゃんの料理にも宿っている素材同士や料理のジャンル同士が、ひとつの器の中で活きて、決して相殺し合わない。むしろ、混在する力であたらしい魅力を放ってる。

それは「人」も同じ。
「いろんなお客さんが自分の店や料理を<点>にして<線>で繋がってくれたら、それを目指してこの店を開業したので」とあらためて話すがんちゃん。カウンターの横同士で語られる会話も、カウンター越しにがんちゃんと話す会話も、この店最大の隠し味なのかもしれません。
その会話を円滑に弾ませてくれるのががんちゃんのお料理なのですね。

琉球泡盛に込められる決意

今回の記事でたびたび登場した、泡盛「瑞泉」。1887年(明治20年)創業の歴史ある泡盛酒造会社さんの逸品で、がんちゃんの故郷「首里」にあります。酒場音色ではこれを<音盛>と銘打って(泡盛からの変容語ね)、お客さん同士の会話が弾むように親しみやすい価格で提供中(取材当時)。その額なんと…下のお値段表記でご確認を!

さいごに。ここにある泡盛壺のお話を。
1848年(嘉永元年)創業の首里最古の蔵である瑞穂酒造の泡盛です。時間を置いて、熟成味を深める「古酒」にこだわった瑞穂酒造ならではの壺詰め泡盛。

この泡盛壺を開店祝いに贈ったのは、がんちゃんのお父さん 。カウンターの中央ちょっと横に開店当時から鎮座し、お客さんやがんちゃんたちの仕事を見守っています。
「これは、酒場音色の1周年記念に開けて、お客さんや僕たちでいっしょに祝いたいと思っているんです」と話すがんちゃん。人同士のつながりを「1年分」宿した「瑞穂」はどんな熟成を経ているでしょうか。これから先もまだまだ楽しみな酒場音色です。

【ディナータイム】
◆生ビール(マルエフ)/600円
◆スパイスハイボール/650円
◆音盛(泡盛) ※銘柄は時期によって異なります。
・ロック/水割/ソーダ割 各350円
◆音色小鉢盛り3種/990円
◆ラフニタス(2個)/1000円
◆大葉の黒チャーハン/800円【ランチタイム】※定食スタイル
★メイン
・肉豆腐(生卵付)/1,000円
・豚キムチ/1,100円
・チキン南蛮/1,200円
・唐揚げ/1,100円
★全ての定食に下記が付きます
日替わり小鉢3種/音色のポテサラ/お漬物/味噌汁/ご飯
その他、アルコールセットやドリンクセットもあり!

※すべて税込価格

店名:酒場音色
住所:大阪府大阪市中央区心斎橋筋1-5-19(心ぶら街 内)
TEL:090-1949-0489
URL:https://sakabaneiro.com/#top