EXPERIENCE
2026.10.12
MJETオーナーに訊く!
潮式IP小売ビジネスに不可欠な信条
ここでしかできない買物体験を!
MJET(メジェド)
キャラクターコンテンツ真っ盛りな2026年
とある専門誌によると…、海外展開支援や異業種への参入を追い風に2026年のIP(知的財産)ビジネスは大きな拡大期を迎えている、そうです。確かに、国民的コンテンツが30周年を迎えて世界を股にかけたファンダムのボルテージが上がったり、Xからスタートした作品が今夏の映画でコアファン以外へ接触拡大など、なにかと話題の多い2026年です。
なにか後々に大きな現象が起きる、その潮流が「いま」なんじゃないか?そう感じてソワソワする方も多いはず。当記事は、
・キャラクターアイテムを扱う仕事を夢見る10・20代たち
・小売り業の売場づくりにヒントを欲しているビジネス層
・IPビジネスの売り場最前線に興味があるビジネス層
・IPビジネスの良心を大切に思うファン層
そして・・・、子どもとキャラクターアイテムが豊かな関係でいられるようにと願うお母さん&お父さん層にも読んで欲しいインタビュー記事となっています。
お話を伺うのはMJETの潮オーナー
お話しを伺うのは心斎橋筋商店街に構える『MJET』オーナーの潮さん。当ショップはアニメやコミック、ゲームなどのキャラクターを所せましと並べる雑貨店。2024年の7月にオープンし、営業は3年目に突入しています。
筆者はかつてMJET店内をこう表現しました。
一歩足を踏み入れると、そこはもう異世界。ダンジョン!
エントランスから見上げる2階フロアまでビーーーーーッシリと、そして乱雑に、そしてすき間なく、グッズやアイテムなど雑貨が並びます。しかも、ジャンルがボーダレス!
さらには、誕生国もコンテンツカテゴリーも区別なく、みんながお利口に共存する2つのフロア(2F建てです!)。強いていえば、日本コンテンツが多めです!
これは、我々世代にはたまらん!もちろんZ世代もキッズたちも大興奮ではないでしょうか。
かつての親友を探して、また、誰かへの贈り物にも、そしてレアアイテムの散策にも!
定石が通用しない「潮式ビジネス」
一般的に小売業態が「売上」を上げるためには「来店客の商品購入率」と「お買い上げ平均点数」を上げていくのが鉄則。「利益」を上げるためには店内での余剰作業を減らし、売場陳列もストック(バック)ヤードとして機能させる、これも鉄則。
つまり、
☑消費者にとって視認しやすい整然とした売場づくり
☑店舗運営者にとって商品管理のしやすい整然とした売場づくり
この2点は小売業態の定石と言ってよいくらい。でありながら、そこからは真反対方向に尽力するのがMJET、つまり潮オーナーのビジネスなのです。
整然の真逆、それは“混沌”の世界
そう、あらためて店内を見渡すと「整然」なんてとんでもない。「混沌」世界が広がるMJET。こういったガチャガチャとした小売陳列が他に無いわけではないのですが、ある程度ジャンルやカテゴリの棲み分けができているのが一般的。しかしながらMJETの店内は本物の混沌です。
ジブリの商品が視界に入ってビターな思い出が浮かんだかと思ったら、次の瞬間には『魔王 ゾーマ』を見かけてゲームに興奮した頃を思い出す。
そう、頭と心で想起するものが次から次へと終わり無く、感情と記憶が照合を取り続ける「体験」の連続…これこそMJETの特異さなのです。まさに情報の交通渋滞。
定石が通用しない「潮式ビジネス」その真意は…?
潮オーナーに言わせれば、
出逢いたいアイテムやキャラと出逢うまでのアクセスは豊かな方がいい。時間も距離もたっぷりかけて、宝の山をかき分けながら進んだ先に“見つけた!”が最高の思い出になるのだから。
それがMJET。視認の困難さを“価値”に変換する、潮式ビジネスなのです。
さらに、潮オーナーは話します。
ただし、MJETの「混沌=価値」は、幾重にも重なる“見えない仕事”で支え続ける必要があります。乱雑に並ぶ商材の個数管理や在庫管理、レジ記録と実在庫の照合には多大な労力が必要不可欠です。
筆者が加えるならば。「その労力をお客さまは知る由もない」というジレンマの扱い方を間違えると、店舗運営そのものが難しくなる例を見てきました。「店舗」それ自体が感情を持ち成長する有機体のようなものなのだから。そのあたり、潮さんはどうコントロールしているんでしょうか。
IPアイテムを通じてMJETは「なに」を提供するのか
では、なぜそこまでして「潮式ビジネス」に徹するのか?
~分かりやすくモノを並べて、来店⇒購入の時短を図り、売れた箇所にカンタンに補充しておく~では、なぜダメなのか?
「私自身がこのショップで売りたいものはモノだけではなく“思い出“だからなんです」と、少しずつ真意に近づく潮オーナー。その語り口は次第に熱を帯びていきます。
キャラクターアイテムと人との関係
こちらは本日のインタビューのために潮さんに持参いただいた私物の玩具です。例えば、中央の株式会社海洋堂のゲッターロボ(アニメ放送 1974年~)。鉄腕アトム、鉄人28号など、ロボット本人やロボットを操縦する少年が主人公であった時代から、主人公がロボットに乗る時代へ、そして「ゲッターロボはロボット同士が合体するギミックにカタルシスがあったんです。ロボットアニメの強い日本ですが、長い系譜の中でひとつの礎となったアニメだと思います。自宅には約60cmサイズのゲッターロボもあります」とニッコリの潮オーナー。
この画像を見てスマホを持つ手が震えている方もおられるのでは?ご存じヤッターマン(アニメ放送 1977年~)に登場するヤッターパンダです。いまなお、少年の日の思い出をタツノコプロに絡めとられたかつての小学生たちが、あまりのレアリティに心の震えが止まらないんじゃないでしょうか?
こちらのルーツはさらに古い。1930(昭和5)年から東京・葛飾の下町工場で造られてきたソフトビニール人形。近年POPカルチャーとしての最注目からブランドやアーティストとのコラボ、百貨店POPUPなどで話題。「チャーミーちゃん」といえばご存じの方も多いはず。潮オーナーの息子さんが幼少期に欲しがって、小学生となったいまも大切にしている「象」なのです。
さて、比較的新しいキャラクターアイテムにもご注目ください。2001から週刊少年サンデーで連載が始まり2003年からはアニメ放送もされた「金色のガッシュ!!」。なかでもある種の愛くるしさで厚い支持を集めたキャンチョメ。IP商材に詳しい潮さんでも日本国内ではついに見つけることのできなかったこのキャンチョメは約10年前に香港で見つけた“公式”アイテム。
最後はこちら。潮オーナーが学生の頃購入したマグカップです。これを買った日のことは今でも鮮明に思い出せるそう。修学旅行で回った東京ディズニーランド、アトラクションに何時間も並んで、時間がない中で立ち寄ったお土産コーナー。フッと手に持ちなんとなく気に入り、そこから33年。毎日毎日使ってきた手に馴染みあるマグ。受験の時も、大阪大学で建築を学んでいた頃も、バイトに勤しんだ頃も、大学院での学びを退いて中国に渡って語学を学び始め、現地で日本企業にビジネスアテンドをしていた頃も、日本のご家族を支えるために帰国して、そうしていまに至るまで。15歳のお買物(マグカップ)がひとりの起業家の軌跡と伴走しているのです。
実は…と切り出す潮さん。つい先日、このマグカップを作っている三郷陶器株式会社(岐阜・土岐市)の加藤代表との商談の機会に、このマグカップを持参したんだとか。代表は「よく、こんなものが残っていましたね」と一瞬目を大きく丸くしてから嬉しそうに細められたそうです。33年越しに「造った人」と「使っている人」が交差する、これも「思い出」の力。
IPアイテムを通じてMJETは「思い出」を提供する
IPアイテム、それは貨幣と交換する消費物。結局は消費物ではあるんです。でもだからこそ、安易に消費なんかさせたくない。お客さまが入店してから「お気に入り」や「大好き」にたどり着くまでのアクセスを豊かに、後々にもお買物の体験自体が活き活きと思い出せるように、そしてそのことを誰かにも話してみたくなる…それがMJETが提供したいもの。
「ひとつひとつは“商品”という物質でありながら、手に取り眺め購入に至る方にとっては“思い出”や“記憶“やもしかしたら”アイデンティティ“も担っているかもしれない。人生や生活の一部となっていくのかもしれない。キャラクターアイテムで小売りビジネスをするってことは、やっぱりそこまで実直に考えていたいんです。こんな売り方なんで盗難や商品破損事故もあります、それでも〈 これ、子どものころ欲しかったんです、当時は買ってもらえなくて 〉と大人購入されている方の笑みを見ると、この仕事の使命や意味、在りかたを信じることができます」
と締めくくる潮オーナー。
強靭な仕入れネットワークはどう構築されたのか?
ただ、それにしても数多ある商品の数多あるコンテンツ群。国内外のアニメ、コミック、ゲーム、ディズニーやジブリも。ある種、超豪華な異業種交流会が開催されているかのようなMJET店内の商品たち。いったいどうやって潮さんの元に集まってきているのか?
ここを読んでいる10代・20代の方。将来、コンテンツを扱う小売で独立をしてみたいと目標を持っている方。最大の「知りたい」はここではないでしょうか。実はその答えは非常に明快で、
潮さんはIPや商材の造詣や理解力が常軌を逸している!メーカーさん自身より詳しいことも…!
これに尽きるのです。卸さんやメーカーさんで先方が「つい時間を忘れるほど」会話が弾んでしまう、そのくらいの「コンテンツ×商材×年代」といった知識量を誇る潮オーナー。
想像してみてください。自分たちの会社の商品を知り尽くし、しかも愛着を持って商品を語る、そんな圧倒的な傑物が商談にやってくる…会社にとってこんな嬉しい展開はありません。そのうえ、潮さんは新商品や開発の相談なども受けてくれる外部ブレンのような存在でもあります。1店舗運営のオーナーさんが、あらゆる卸さんやメーカーさんからここまでLOVEコールを受けるには理由があるんですね。「わたしの商品を、あなたに売って欲しい!」そう思わせてしまう絶大な信頼と魅力、それが潮さんの秘めたる力だったりします。
「単に作品やキャラを知るだけでなく、その周辺情報をどこまでも知ってみたい欲に駆られるんです。自分はどこまでもIPによって楽しんで歓び、好奇心を掻き立てられるんだなぁと思っています」と話す潮さん。ちょくちょく店内でお見受けする激レア商品なんかもその一部。ほんとうに楽しめる店内です。
今後の展望
実は潮さん、近日に新しい事業展開が始まります。いま静かに虎視眈々と準備を進める潮さん。近いうちに、こちらの記事からもご報告いたします。楽しみに待っていてください!
後記
今回、潮さんの言葉で最も印象深かったものがあります。ほかにも事業をもっている潮さんですが、ここMJETには極力ご自身がいられるようにされているんだとか。その際、お客様の動きを静かに観察していると「いちばん欲しいものを諦めて、次に欲しいもの」を購入していくお客さまが大半であるそうです。そんな方たちのために「いちばん求められる商品群」はずっと並べておこうと決めているそう。まさに、いつでも還ってこれる場所、大人になっても還ってこれる場所、ですね。
今回、別記事でポケットモンスター30周年を絡めたことから、当インタビューもポケモンTシャツに着替えてくださったりと、おもてなし精神も豊かなオーナー。まもなくクリスマス、プレゼント選びはココですね!
住所:大阪市中央区心斎橋筋2-3-24 ジャパンライフビル 105
TEL:06-6926-8232
URL:https://www.instagram.com/mjet_zakka/


















